2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

電磁気学の基礎 I (その38) 9.5, 9.6, 9.7, 9.8, 9.9

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 9.5節. の特殊解として となる定数解としたものが(9.22)である.P214の力学的エネルギーの中で電荷が であるが,ここでは電子を考えているので である. 9.6節.慣性系での物体の速度…

電磁気学の基礎 I (その37) 9.1, 9.2, 9.3, 9.4

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 9.1節.ローレンツはローレンツ力の発見者ではない.ローレンツ力と呼ぶ根拠はないらしい. 9.2節.導線に流れる電流にはたらくローレンツ力が,ホール効果によって導線の正電荷にかか…

電磁気学の基礎 I (その36) 8.11, 8.12, 8.13

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 8.11節.導体の位置関係がわからない. 軸方向に電流が流れていればどんな形状でもいいのだろうか.とにかくベクトルポテンシャルが しかないとすると,磁場は になる.与えらえた条件…

電磁気学の基礎 I (その35) 8.8, 8.9, 8.10

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 8.8節.P191の最初に,ベクトルポテンシャルは(8.9)の を湯川関数で置き換えればよい,とある.しかしこのような単純な置き換えだと,指数関数にも微分演算子がかかる理由がわからない…

電磁気学の基礎 I (その34) 8.5, 8.6, 8.7.1, 8.7.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 8.5節.コンデンサーの極板間に生ずる電場は であるから,力は となり,これから になる. 説明が前後しているせいで(8.30)の上の式がわかりにくい. の平均を代入すると2番目の等号に…

電磁気学の基礎 I (その33) 8.1, 8.2, 8.3, 8.4

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 8.1節.P173下から2番目の式がわかりにくい.正方形を 平面におき,中心を原点に,各辺を 軸に平行になるように座標を設定する.電流の向きを 軸の上からみて反時計回りであるとする.…

電磁気学の基礎 I (その32) 7.7.5, 7.8, 7.9

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 7.7.5節.環状電流の積み重ねということで,(7.38)の磁場を使うとP166最初の式に,積分は(2.9)が使えて次の式になる. が小さいときは(2.10)の下の式を求めたのと同じ方法で(7.39)の上…

電磁気学の基礎 I (その31) 7.7.4

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 半径 の環状電流 のつくるベクトルポテンシャルを求める.中心軸を 軸にとると,対称性から観測点は に取れる.電流要素の位置を とすると, となる. の 成分は, によって消える. …

電磁気学の基礎 I (その30) 7.7.1, 7.7.2, 7.7.3

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 7.7.1節.「有理化電流要素」によって,電流要素のつくる磁場をビオー・サヴァールの法則で計算したものが正当化される.7.2節で言及されていた作用反作用の法則はどうなるのだろうか…

電磁気学の基礎 I (その29) 7.1, 7.2, 7.3, 7.4, 7.5, 7.6

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 7.1節.平行な電流間にはたらく力をアンペール力という. 7.2節.グラスマンはアンペール力をベクトル積で表現.電流要素間の力は作用反作用を法則を破るが,電流要素は数学的な量なの…

電磁気学の基礎 I (その28) 6.6, 6.7, 6.8

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 6.6節.P140の を見るとマイナスだから電流が仕事をされるのかと思いそうになるが,電位の低いほうへ電流が流れれば であるから仕事率は当然ながら正である. 6.7節.定常電流の電場は…

電磁気学の基礎 I (その27) 6.1, 6.2, 6.3, 6.4, 6.5

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 6章前半はややこしい計算がなく,さくさく進む. 6.1節.連続の方程式は空間の各点で電荷保存則が成り立つことを意味する. 6.2節.対流電流と伝導電流の違い.電子の平均速度は非常に…

電磁気学の基礎 I (その26) 5.5, 5.6

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 5.5節.巨視的電場を定義できる理由が であると初めて知る.他の本にも書かれているのだろうか.電気双極子のデルタ関数項が重要な役割を持っている.微視的電場というのは,今日では…

電磁気学の基礎 I (その25) 5.4.1, 5.4.2, 5.4.3

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 5.4.1節.十分弱い電場とは何と比べて弱いのか? 5.4.2節.球内の同心球面上で であるから, の場合に になる. を使うと であるから(5.20)を得る. 5.4.3節.一様電場中の誘電体球の…

電磁気学の基礎 I (その24) 5.1, 5.2, 5.3, 5.4

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 4章まで終わったが,2章に比べると式の誘導が不親切になってきた.図が少ないのが辛い.言葉だけの説明では状況設定がわからないときがある. 5.1節.水素原子がつくる電場のうち,原…

電磁気学の基礎 I (その23) 4.8.3, 4.8.4

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 4.8.3節.円筒電荷がつくる電場は(2.16),電位は(3.17).電気容量は(4.33).図4.9を 軸の上側から見た図. 側面にかかる力について, の面に対し となり, の面に対しても同じ結果にな…

電磁気学の基礎 I (その22) 4.8.1, 4.8.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 4.8.1節.このシャボン玉の例題はわりと多くの本で取り上げられているようである.気圧差 の向きは動径方向であるが,天頂角が ] の面積要素にかかる圧力は各微小面積要素にかかる力を…

電磁気学の基礎 I (その21) 4.6, 4.7

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 4.6節. は4.4.1節のものと同じ定義.右辺の面積分は(3.6)で計算した. 球内に電荷がなければ階段関数を にできるので,ガウスの平均値定理の式になる. 4.7節.最初からつまづく. が…

電磁気学の基礎 I (その20) 4.5.3, 4.5.4

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 4.5.3節. を使って(4.42)を得る. 直線電荷がつくる電位は(3.14)を使う. として等電位面を求めると,P96の真ん中あたりの式 を得る.この式を について解くと の式を得る. であるこ…

電磁気学の基礎 I (その19) 4.5, 4.5.1, 4.5.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 4.5節.P88の上から2番目の式は点電荷のポテンシャルエネルギーで,正にも負にもなる.一方,この式から導かれたはずの(4.36)の電場のエネルギーは負にならない.この違いに関する記述…

電磁気学の基礎 I (その18) 4.4.1, 4.4.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 4.4.1節.P84の真ん中に平面導体に対し ,とあるが,そうすると がゼロになってしまう.おそらく である. (4.24)の2番目の等式は, となる.これは立体角を与える式であるから, が閉…

電磁気学の基礎 I (その17) 4.3, 4.4

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 4.3節. の微分方程式の解と,ルジャンドル多項式の母関数の展開係数が一致することは証明が必要であるが,ここでは概略だけ示す.何をルジャンドル多項式の定義とするかは本によって…

電磁気学の基礎 I (その16) 4.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 4.2節の続き.鏡像法の第2の例は点電荷と接地した半径 の導体球がつくる電位である.アポロニオスの定理が言及されているが,この定理を知らなくても大丈夫である.(4.3)式を変形する…

電磁気学の基礎 I (その15) 3.7, 4.1, 4.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 3.7節.4極子は「しきょくし」と読むのだろうか? おそらく四重極のほうがよく使われている.4極子はダイアド(2階テンソル)を使って という記号を使う.ちょっとわかりづらいが本の…

電磁気学の基礎 I (その14) 3.6

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 電気双極子層は電気二重層として覚えていた.ここでも2枚の電荷面の間の距離を0にする極限を取り,ある種の理想化を行っている.(3.40)は(3.32)を双極子層がつくる面で積分したもので…

電磁気学の基礎 I (その13) 3.5

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 今後,計算にアインシュタインの縮約記法を使う.座標をなどとするとき,和の記号を省略しと書く. 電気双極子は同じ大きさのプラスとマイナスの電荷対だが,この本では電荷対の距離を…

電磁気学の基礎 I (その12) 3.3, 3.4

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 3.3節.(3.18)左辺にガウスの法則を適用するとは ということだろうか. 電荷面密度があると,その面の前後で電場の法線成分が不連続になるが,一方で面密度ではなく電荷体積密度が有限…

電磁気学の基礎 I (その11) 3.2.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 3.2.2節の続き.まず前回現れた定積分 を計算する.これは再帰的な関係式を使うことで,原始関数を求めなくても積分値がわかる.まず と変数変換すると になる.これから になるので,…

電磁気学の基礎 I (その10) 3.2.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 3.2.2節の続き.今回は一般的な軸対称電荷がつくる電位を求める.観測点を とし, 電荷の位置を とすれば,電位は \begin{align} \phi(\rho) &= \frac{1}{4\pi\epsilon_0} \int_0^{2\pi…

電磁気学の基礎 I (その9) 3.2.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ まず直線電荷がつくる電位を求める.長さの線分上に一様に電荷が分布しているときの,線分がつくる電位を求める. 軸上に から まで電荷線密度 で一様に分布する線分電荷をおきます. …