電磁気学の基礎 I (その34) 8.5, 8.6, 8.7.1, 8.7.2

電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ


 8.5節.コンデンサーの極板間に生ずる電場は  E=q/(\epsilon_0 S) であるから,力は


 \begin{align}
  F=\frac{\epsilon_0 E^2 S}{2}=\frac{\epsilon_0 S}{2}\frac{q^2}{\epsilon_0^2 S^2}=\frac{q^2}{2\epsilon_0 S}
  =\frac{2\pi k_e q^2}{S},\quad (k_e=\frac{1}{4\pi\epsilon_0})
\end{align}


となり,これから   q = \sqrt{FS/2\pi k_e} になる.


 説明が前後しているせいで(8.30)の上の式がわかりにくい. B の平均を代入すると2番目の等号になる. B の平均は中心につくられる磁場に基づいている. q について解くと


 \begin{align}
  q = \frac{1}{k_m}\frac{\varphi_0 aA}{mT} = \frac{1}{k_m}\frac{\varphi_0 aAT}{mT^2}
  = \frac{1}{k_m}\frac{B_0 a\varphi_0 T}{4\pi^2}
\end{align}


となり(8.30)になる.


 P183の最初の式はやや技巧的で,


 \begin{align}
  B_0 = \sqrt{B_0}^2 = \frac{2\pi}{T}\sqrt{\frac{AB_0}{m}} = \frac{2\pi}{T}\sqrt{\frac{AB'}{m\tan\alpha}}
  = \frac{2\pi}{T}\sqrt{\frac{2k_m A}{r^3 m\tan\alpha}}
\end{align}


としている.これから


 \begin{align}
 q = \frac{a\varphi_0}{2\pi} \sqrt{\frac{2A}{k_m r^3 m\tan\alpha}}
\end{align}


となるので,最初の  q の式より


 \begin{align}
c=\sqrt{\frac{k_e}{k_m}} = \frac{2\pi}{a\varphi_0} \sqrt{\frac{FS}{2\pi} \frac{r^3 m\tan\alpha}{2A}}
\end{align}


を得る.


 8.6節.(8.31)の面積分は3.6節でも使った.「 \mathbf{M} を考慮しない通常の  \mathbf{H}」 という部分に少し驚く.この本の  \mathbf{H} は特殊な定義だったのか? となると通常の  \mathbf{H} では磁位で表すことはできないのだろうか. \mathbf{M} とはここでの量の意味で,磁性体の  \mathbf{M} とは別だとみているのだろうか.いろいろわからない.


 8.7.1節.(8.35)の真ん中の式で  \sigma が抜け落ちている.


 P187の,ところで,で始まる段落が理解できない.輪切りとあるが,どういう分割をしているのかイメージがわかない.輪切りというと細かく分割しているように思えてしまう.観測点を中に含まないとはどういうことだろうか.球外に観測点があるのとは違うようである.上下面とは何だろうか.図があればと思う.


 8.7.2節.電荷の回転によって磁気モーメントが生じ,周囲に磁場ができる.