2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

電磁気学の基礎 II (その23) 15.6, 15.7

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 15.6節.平行板コンデンサーがつくる電磁場を考えることで電磁場のローレンツ変換を構築できる.電荷密度や電流密度のローレンツ変換をベースにしていることがわかる. 電磁ポテンシ…

電磁気学の基礎 II (その22) 15.3, 15.4, 15.5

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 15.3節.マイケルソンの実験.装置とともに動く観測者から見た光の進行方向は であるから,(15.18)から M に向かう光速は となり,逆に M から戻る光速度は向きを として になる.こ…

電磁気学の基礎 II (その21) 15.1, 15.2

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 15.1節.P450上から3番目の式において を使った. 電場の計算には を使い, によって(15.3)を得る.磁場は により(15.3)になる. (15.7)を得るには,(15.5)の電場を使う. 電荷 と同…

電磁気学の基礎 II (その20) 14.8, 14.9

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 14.8節.荷電粒子による電気双極子モーメントはP433でみたように で与えられるので, となる.これを(14.14)に代入すると の表式を得る. 電磁波の入射方向 を 軸に選び、放射電磁波…

電磁気学の基礎 II (その19) 14.6, 14.7

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 14.6節.(12.65)の磁場のエネルギーを求める. ここで,積分変数を から に変数変換すれば, になるので となる. 古典理論でも「繰り込み」が必要になる有名な例.古典論での発散 に…

電磁気学の基礎 II (その18) 14.5

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ を で展開し,P432の の表式を使って を で表すとP435の最初の式を得る.同じことを について行うと2番目の式になる.これから展開の主要項では は から求まり, が計算できる.また…

電磁気学の基礎 II (その17) 14.4.3

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 今回はP432の についての展開から. についての展開 に対し,右辺の を逐次 で表していくとP432の の式を得る.これを使い となるので,P432一番下の2式を得る. が大きい場合で,点…

電磁気学の基礎 II (その16) 14.4.3

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 今回はファインマンの教科書に書かれているという,(14.23)とその下の磁場を求める.まず微分演算子 を と変形し, とする.表記を簡単にするため とした. より となる.よって にな…

電磁気学の基礎 II (その15) 14.4.3

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 電磁気学の基礎 I から初めて約2カ月が経ったが,初めのほうを読み直してみると訂正や補足したいところがある.一通り読んだら取りかかりたいが,I でも45回かかったので II はもっと…

電磁気学の基礎 II (その14) 14.4.2

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 14.4.2節後半.電気4極子の放射.ベクトルポテンシャルは(14.16)の が になる.電気双極子放射の場合のようにヘルツベクトルを とおくと となる. によって磁場 を得,電場は によっ…

電磁気学の基礎 II (その13) 14.4.1, 14.4.2

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 14.4.1節.マッカラーの公式(3.46)を使っているが,もっと直接的に を使ってもよい. 電位については(14.7)を展開して となる. P426に定義されたヘルツベクトルを使うと と表せる. …

電磁気学の基礎 II (その12) 14.1, 14.2, 14.3, 14.4

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 14.1節.球面波のグリーン関数(14.4), (14,5)は(B.64)で導出している. 14.2節.電流が流れ始めると定常状態になるまで電場が生じる. 後半,負の 軸を原点に向かって電流が流れ,原…

電磁気学の基礎 II (その11) 13.12, 13.13, 13.14

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 13.12節.電子の平均移動速度が遅くても電流が光速で伝わる理由.真空のインピーダンスは 377Ω. P410, を(13.51)に代入すると になる.これが恒等的に満たされる条件から の条件式を…

電磁気学の基礎 II (その10) 13.9, 13.10, 13.11

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 13.9節.(13.36)を求める. 最後の等式で を使った.さらに によって(13.36)第2式を得る.運動量や角運動量も同様な計算で得られる. 後半. のとき, である. P404の に対し, が鋭…

電磁気学の基礎 II (その9) 13.7, 13.8

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 13.7節.最初の式のcosを取ると になり, を使うと となる.根号を外して整理するとP396の2番目の式になる. (13.24)は による. 13.8節.P401最後の式

レシュの定理

現在読んでいる「電磁気学の基礎II」の著者である太田浩一氏の別の著書,「熱の理論」(共立出版 2018)を本屋で見つけた.その中に熱容量と圧縮率の関係式である「レシュの定理」というものが登場する.現代の教科書でレシュの定理は忘れられている,と書か…

電磁気学の基礎 II (その8) 13.5, 13.6

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 13.5節.P390の を導くくだりが簡潔すぎてわかりづらい.ここも図があればと思う. 13.6節.熱輻射で満たされた容器の一方に取り付けたピストンを断熱的に速度 で動かした場合を考え…

電磁気学の基礎 II (その7) 13.1, 13.2, 13.3, 13.4

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 13.1節.電磁波が横波であることは電場と磁場の発散が0になることによる.電場と磁場が直交することはアンペールマクスウェルの法則による.磁場の大きさは電場の 倍である. 13.2節…

電磁気学の基礎 II (その6) 12.15, 12.16, 12.17

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 今回は疑問点が多く残る. 12.15節.磁荷があるときは(12.20)によって磁場は磁位とベクトルポテンシャルで表されるが,ここでは磁位を使わずにすます方法を考えている.磁荷の存在を…

電磁気学の基礎 II (その5) 12.12, 12.13, 12.14

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 12.12節.超電導は電子の正準運動量が0になる現象である.永久電流は磁束の量子化で説明できる. 12.13節.遠隔作用の電磁場とはどういうことだろうか. が非局所演算子であるから遠…

電磁気学の基礎 II (その4) 12.9, 12.10, 12.11

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 12.9節.上から2番目の磁場の式は(8.38)と同じ.(12.62)は の角度積分が であることを使っている. 12.10節.P361の最初の式は最初の等式がよくわからない.角度積分する前はもう少し…

電磁気学の基礎 II (その3) 12.6, 12.7, 12.8

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 12.6節.P353の最初の式がやや複雑である.左辺は による.右辺は各項を展開し,左辺になることを示す. \begin{align} \pmb{\nabla}\cdot(\mathbf{E}^{\rm L}\mathbf{x}\times\mathb…

電磁気学の基礎 II (その2) 12.3, 12.4, 12.5

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 12.3節.ポインティングベクトルが登場.電磁場のエネルギーの流れを表す. 12.4節.エネルギー流の具体例.P347の真ん中あたり「~を満たすためには, は時間によらない定数である.…

電磁気学の基礎 II (その1) 12.1, 12.2, 12.2.1, 12.2.2, 12.2.3

今回から「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) に入る.手元にあるのは初版第3刷である. 12.1節.電磁場を縦,横成分に分けるとまた新しい視点がみえてくる。(12.12)は と が交換できることを使っている. 12.2節.ゲージ変換でベク…

電磁気学の基礎 I (その45) 11.7, 11.8, 11.9

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 11.7節.閉曲面の側面を中から外へ出る磁束は,(9.32), (9.33)で求めた. である.(11.33)の最後の項は を で表している. P282真ん中あたり,変位電流を無視すると であるから である…

電磁気学の基礎 I (その44) 11.4, 11.5, 11.5.1, 11.5.2, 11.6

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 11.4節.磁場中の電子の運動に伴う磁気モーメントは、磁場の変化に対する断熱不変量である.解析力学を知らないと断熱不変量を理解するのは難しい.P269の最初の式の右辺は である. 1…

電磁気学の基礎 I (その43) 11.1, 11.2, 11.2.1, 11.2.2, 11.3

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 11.1節.誘導起電力と磁束の変化の間の関係式は積分の関係式であり,同時刻での量である.磁場が電場をつくる,というような因果関係を言うことはできない. 11.2節.ややこしい. が…

電磁気学の基礎 I (その42) 10.5, 10.6

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 10.5節.(10.34)は(10.31)にならって計算すると になる. 微視的電場は が大事だったが微視的磁場は であることが巨視的磁場を定義するうえで本質的だる. 10.6節.5.6節とほぼ同じ議…

電磁気学の基礎 I (その41) 10.3, 10.4, 10.4.1, 10.4.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 10.3節.P240の最初の式は(5.2)と同型である.(10.9)の下の式は により確かめられる.P241の最初の式を示す.左辺は であり,右辺は となるので一致する.続いて(10.11)の下の式の右辺…

電磁気学の基礎 I (その40) 10.1, 10.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 10.1節.P234の一番下,原子数 は電子数か陽子数ではないだろうか.(10.3)の の定義が不明だが,左の式を計算すると ] となるので と考えられる. 次は統計平均を計算する. によって…