電磁気学の基礎 I (その43) 11.1, 11.2, 11.2.1, 11.2.2, 11.3

電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ


 11.1節.誘導起電力と磁束の変化の間の関係式は積分の関係式であり,同時刻での量である.磁場が電場をつくる,というような因果関係を言うことはできない.


 11.2節.ややこしい. dV が負ということは外力がする仕事というより,コイルが他に仕事を与えるということか?そうならないようにするために電池が同じ量の仕事をする.さらに電池は電流のエネルギーとなる仕事もするので,結局電池のする仕事(電気的仕事)は  dV -2 倍になる,ということだろうか.


 11.2.1節.4.7節と同様の議論.電流一定の場合と磁束一定の場合のエネルギー変化の関係は  dU_I=-dU_\Phi の関係がある.


 11.2.2節.RLC直列回路.複素数による微分方程式の解法.


 11.3節.後半.粒子の運動方程式は, v を接線速度として


 \begin{align}   m\frac{dv}{dt}&=qE_\varphi=-\frac{q}{2\pi \rho}\frac{d\Phi}{dt}\\\\
   m\frac{v^2}{\rho}&=-qvB_z
\end{align}


である.磁場が時間変化しなければ  E_\varphi=0 なので  p^{\rm mech}=mv p^{\rm mech}=-q\rho B_z を満たす.磁場が時間変化し  E_\varphi が0でない場合,運動方程式の第1式を時間で積分して


 \begin{align}
  mv = -\frac{q}{2\pi\rho}\Phi
\end{align}


なる.ここで  \Phi=0 のとき  v=0 とする.この式を運動方程式の第2式に入れると


 \begin{align}
  \Phi(\rho, t)=2\pi \rho^2 B_z,\quad B_z=\frac{1}{2}\frac{\Phi}{\pi \rho^2}
\end{align}


が得られる.このような条件を満たす  B_z によって粒子は円軌道を維持する.このときの  v B_zの関係も   mv = -q\rho B_z である.