「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ
14.8節.荷電粒子による電気双極子モーメントはP433でみたように で与えられるので,
となる.これを(14.14)に代入すると の表式を得る.
電磁波の入射方向 を 軸に選び、放射電磁波の進行方向 を球座標で表す。 は 平面上にあるので、 と 軸とのなす角を とする。
入射波が偏極していない場合は について平均を取る。
これから
を得る.自由電子( )の場合
から
となり、トムソンの散乱断面積を得る。
P445. 半径 の導体球による散乱断面積は、誘導される双極子モーメントが 、 であるから、
と置き換えればよい。これから(14.41)を得る.
14.9節.(14.41)と(5.25)から
であり,, であるから
になる. が1に近いときは, 因子以外の部分に を入れる.
(5.25)から
を使うと(14.42)を得る.
後半.クラウジウス・モソッティの式は電気感受率と単位体積あたりの双極子数 とを結びつける式である.単位体積あたりの双極子数が だけ変化すると,電気感受率の変化は
である.一方,体積 の中の双極子数が だけ変化した場合,これは単位体積あたり だけ双極子数が変化したことになる.この場合は
になる.これより の中に の双極子モーメントが生じる.各体積要素からの散乱を加えた確率を計算するには を計算すればよい.上式の分極率は
を意味するから,これをレイリーの散乱断面積
の に入れて体積要素の和を取ると,P448の最初の式を得る.粒子数ゆらぎは等温圧縮率で表すことができるので,P448の最後の式になる.理想気体の場合, なので,理想気体に近い希薄気体では(14.42)になる.