電磁気学の基礎II

電磁気学の基礎 II (その52) 18.18

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 最後の節はマクスウェルとヘヴィサイドに関する歴史の話題なので本の内容には触れず,関連することを書いておきたい。 マクスウェルの著書,"A Treatise on Electricity and Magnetis…

電磁気学の基礎 II (その51) 18.17

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 私が無知なだけかもしれないが,この節は難しい. コルテウェフは KdV 方程式の K のことらしい. から, の 項を無視すれば となる.物体が速度 で運動する場合,ラグランジュ微分で…

電磁気学の基礎 II (その50) 18.16

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 巨視的なローレンツ力は と変形できる.最後の等式でファラデイの法則を使った.磁荷を仮定すると は0ではない.これは であった場合に相当する.このときのマクスウェル方程式は で…

電磁気学の基礎 II (その49) 18.15

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ この節からアブラハム-ミンコフスキー論争に関係する話題であるが,残念ながら詳細は知らない.この本はアブラハムを支持しているようである. (18.39)を満たす がそれぞれ(18.36), (…

電磁気学の基礎 II (その48) 18.13, 18.14

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 18.13節.ファラデイの法則に余分な項を足して引くと597の一番下の式になり,(11.29)の微分を使うと(18.32)になる.アンペールマクスウェルの法則も同様なことを行うと(18.33)になる…

電磁気学の基礎 II (その47) 18.11, 18.12

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 18.11節.粒子数保存則から,展開の最低次で であり,閉じ込め定理から である.これらからP595の2番目の式を線形化する. を時間で偏微分する.右辺第1項は 右辺第2項は となるので…

電磁気学の基礎 II (その46) 18.10

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ (14.21)の第2項である輻射部分において, を無視して とする. ここで, である.2番目の等号では 因子をずらした.この分子を展開すると より となり,P593の2番目の式の近似式部分…

電磁気学の基礎 II (その45) 18.9

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 誘電率と透磁率が一様でないときの,電磁波の伝搬を表すマクスウェル方程式(P591最初の段の式)の第2式から により となり,これからマクスウェル方程式第1式の回転をとると となる…

電磁気学の基礎 II (その44) 18.8

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ (18.29)にその下の を代入すると が得られ, により も得られる. を1,2,3で表し, から, はP589の最初の式になる.また(18.28)から電場はP589の2番目の式のようになる.この式が で…

電磁気学の基礎 II (その43) 18.6, 18.7

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 18.6節.山村暮鳥の詩,「聖三稜玻璃」はここで読める. P585. 正弦波を使っているのでポインティングベクトルの計算には(13.7)を使う. 金属中の伝導電子の場合 である.これから と…

電磁気学の基礎 II (その42) 18.5

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ (18.17)式を導く. ここで, とした.さらに とすると となる.磁場についても である場合,同様な計算により となるので, とすると, となる. (18.19)最初の式の左辺第2項の分母は…

電磁気学の基礎 II (その41) 18.4

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ (18.13)の置き換えで となることはすぐにわかる.また であり, を使うと になる. 正弦波の電磁波について境界条件は,境界面で位相が等しいという条件 が境界面上の任意の で成り立…

電磁気学の基礎 II (その40) 18.1, 18.2, 18.3

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ アメリカで広く使われているらしい,テイラー「古典力学」の日本語版を本屋で見た.大学の教科書としてはよいのかもしれないが,完全な解答がないので自習書としてはどうだろうか.ゴ…

電磁気学の基礎 II (その39) 17.7.4

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 古典論では調和振動子の平均エネルギーは(17.10)であったが,量子論では になるので, として となる. は規格化定数で, より になる.すなわち となる. となる.和の計算で17.2節の…

電磁気学の基礎 II (その38) 17.7.3

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 17.7.3節. のとき,キャンベル・ベーカー・ハウスドルフの公式を使うと になる. の固有状態 は などの性質をもつ.また 及び であるが, でもあるので, が成り立つ.これを繰り返…

電磁気学の基礎 II (その37) 17.7.1, 17.7.2

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 17.7.1節. は としている. の交換関係は と計算される. 17.7.2節.P563の下から2番目の式はハイゼンベルグの運動方程式なので第2式と第3式に がつくはずである.第3式を得るには …

電磁気学の基礎 II (その36) 17.6.3, 17.6.4

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 17.6.3節.ハミルトン関数は と書き直せる. によって は という調和振動子の固有関数になっている.これから の固有値が(17.36)になる. P557の最初の式の結果は次のようして考える…

電磁気学の基礎 II (その35) 17.6.1, 17.6.2

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 17.6.1節.(17.31)が解になっていることを確かめる. により, となるので,(17.32)の下の式を得る.これをシュレーディンガー方程式に代入すれば全体を で割れて,磁場のないシュレ…

電磁気学の基礎 II (その34) 17.5.1, 17.5.2, 17.5.3

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 17.5.1節.ハイゼンベルクはガンマ線顕微鏡を思考実験に使ったとし,その直後に口述試験の逸話を載せるのは意味深である. 17.5.2節.量子力学の定番である調和振動子の,ブラケット…

電磁気学の基礎 II (その33) 17.3, 17.4

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 17.3節.P537.(17.11)を で微分する. から, となる.左辺は を使うと となるので, となる. とすると, を使って となる.また, とおくと である.本では の指数が違う. コンプ…

電磁気学の基礎 II (その32) 17.1, 17.2

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 17.1節.(14.37)を振動数に直す. であり, から により(17.2)になる. を について解き, とすると になる. シュテファン-ボルツマンの法則を得るには, で を積分する. から(17.7…

電磁気学の基礎 II (その31) 16.7

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ ラグランジュ関数に対称性があると保存量が存在する.時間変化に対する座標の変化は,時間変化に伴う変化分と,同時刻における座標の変化分とからなる.前者によるラグランジュ関数の…

電磁気学の基礎 II (その30) 16.6.2, 16.6.3, 16.6.4, 16.6.5

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 16.6.2節.無限自由度をもつ場の変分原理.ラングランジュ関数をラグランジュ密度関数にする.オイラー・ラグランジュ方程式やハミルトンの正準方程式の形は有限自由度の場合と同じよ…

電磁気学の基礎 II (その29) 16.1, 16.2, 16.3, 16.4, 16.5, 16.6.1

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 16.1節.電磁場を無限自由度の力学変数とみなして,物質と統一的に扱う.それには解析力学が便利. 16.2節.ハミルトンの原理.ローレンツ力をを受ける荷電粒子に対するラグランジュ…

電磁気学の基礎 II (その28) 15.17, 15.18

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 15.17節の続き.P496から.座標変換の変換則 が与えられているが,その逆は である.そこで行列 を定義すると,, である. これから が得られるので,おそらく の右辺第2項の符号が逆…

電磁気学の基礎 II (その27) 15.16, 15.17

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 15.16節.共変テンソルを(15.54)で定義したときの成分表示は である.反変テンソルの成分は(15.56)であり,一般座標系では反変テンソルの電磁場と,共変テンソルの電磁場は異なる.慣…

電磁気学の基礎 II (その26) 15.14, 15.15

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 15.14節.ジュール熱の変換則は ローレンツ力密度の変換則は によって(15.49)になる. エネルギー密度について このうち外積の項を , で表すと になる.一方で であるから、 ] となり…

電磁気学の基礎 II (その25) 15.11, 15.12, 15.13

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 15.11節.速度の変換,光円錐と因果関係,固有時など.流水中の光速度の,相対論的な導出. 15.12節.電磁場と速度の変換則からローレンツ力の変換則を導く.電場について となる.こ…

電磁気学の基礎 II (その24) 15.8, 15.9, 15.10

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 15.8節.P470の設定を図にすると以下のような感じ. であるから の式を得る.(15.38)の両辺を2乗は となる. 静電場のローレンツ変換については であり,(15.38)から によって(15.39)…

電磁気学の基礎 II (その23) 15.6, 15.7

「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 15.6節.平行板コンデンサーがつくる電磁場を考えることで電磁場のローレンツ変換を構築できる.電荷密度や電流密度のローレンツ変換をベースにしていることがわかる. 電磁ポテンシ…