「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ
10.3節.P240の最初の式は(5.2)と同型である.(10.9)の下の式は
により確かめられる.P241の最初の式を示す.左辺は
であり,右辺は
となるので一致する.続いて(10.11)の下の式の右辺も
となり左辺に一致する.
10.4節.「磁性体がある場合,伝導電流の磁気モーメントを考慮しないのが普通」これで8.3節で感じた疑問が解決した.また(10.20)は によって磁荷をベースにした量であることがわかる.磁荷電流密度をベースにした の表式(10.15)と等価な内容なので,磁荷密度と磁化電流密度は同時には現れない.これは(10.10)と(10.11)の関係からもわかる. の意味が少しわかってきた気がするが,磁荷密度,磁荷電流密度,磁位など複雑な関係である.
10.4.1節.(10.26)の第2, 3, 4式が の定義であろうか.そうであれば第1式はこれらから導かれる.まず であり, となるので(10.26)第1式を得る.
円柱状磁性体の磁場を求めるには,磁化がある場合のアンペールの回路定理(10.16)を使う.これは についてのアンペールの回路定理だと思えばよいので,のときの表式 を得る.この右辺第1項は,半径 の円柱内を流れる電流が
であることによる. を(10.27)によって で表すと, になる.これと の場合とを合わせるとP245の下から2番目の第1式を得る.この式から(10.27)を使うとP245の下から2番目の第2式を得る.
に対するアンペールの定理(10.21)を使うと, のとき , のときは となるからP245の一番下の式を得る.これはまた
からも得られる.
10.4.2節. や の積分は3.2.1節で出てきたものと同じである.