「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ
4.6節. は4.4.1節のものと同じ定義.右辺の面積分は(3.6)で計算した.
球内に電荷がなければ階段関数を にできるので,ガウスの平均値定理の式になる.
4.7節.最初からつまづく. が電場 をつくり, がその電場から受ける力は であるはずだが,(4.47)には負号がついている.この負号の意味がわからない.しかたがないので自分で設定を決める. に の極板, に の極板をおく.電場は になる.電場が負なのは 軸方向(下向き)であることを意味する. が電場 をつくるので, が電場から受ける力は
である. の極板には下向きの力がかかる.この極板に外力を与えて上向きに だけ変化させる.このときに必要な仕事は
である.以下本文と同じ.
電池をつないだ場合も上の設定で考える. であるから, の極板の位置を とすると, の極板の電位は である. 一定として微分すると であるので,極板が だけ上に移動することで電荷が だけ増加する.つまり電荷は減少する.これからP101と同じ を得る.この式の説明もわかりにくいが,負なので電池に仕事をしていることになるのだろう.外力による仕事で電場のエネルギーが増えるが,その2倍のエネルギーを電池に与えているので,トータルの電場のエネルギーは外力の仕事分だけ減る,というのが(4.48)の意味だろうか.
以下は J. Vanderlinde, "Classical Electromagnetic Theory" 2nd ed., (Kluwer 2004) による説明.電池をつないでいない場合,電荷は一定であり,力 によって導体が だけ動くと,その力がした仕事は である.系はこの仕事の分のエネルギーを失う.
一方,電池をつないで電位を一定にした場合, の仕事をしたことで のエネルギーを失うが,電池から電荷が供給され, の仕事が系になされる.
ここで であり, より になるので
になる.