電磁気学の基礎 I (その28) 6.6, 6.7, 6.8

電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ


 6.6節.P140の  P=-Id\phi を見るとマイナスだから電流が仕事をされるのかと思いそうになるが,電位の低いほうへ電流が流れれば  d\phi < 0 であるから仕事率は当然ながら正である.


 6.7節.定常電流の電場は保存場と非保存場とからなる.非保存場を閉回路について線積分したものが起電力である.(6.8)をデイヴィーの公式というらしい.


 6.8節.起電力のない場所では  \mathbf{J}=g\mathbf{E} である,とある.非保存場は限られた場所(例えば電池内部)にしか存在しない.


 導線の折れ曲がったところの表面  S に生ずる電荷は,ガウスの法則より


 \begin{align} q=\epsilon_0 ES = \epsilon_0 \frac{J}{g}S = \epsilon_0 \frac{I}{g} = \epsilon_0 \rho I \end{align}


である.


 P144,「導体と完全導体が接しているときは,電場は完全導体の表面に垂直である.」完全導体の表面では電位差がないので表面に平行な電場はない.(6.18)はコンデンサーに導体を入れて電流が流れている状況のようである.