電磁気学の基礎 I (その27) 6.1, 6.2, 6.3, 6.4, 6.5

電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ


 6章前半はややこしい計算がなく,さくさく進む.


 6.1節.連続の方程式は空間の各点で電荷保存則が成り立つことを意味する.


 6.2節.対流電流と伝導電流の違い.電子の平均速度は非常に遅い.


 6.3節.定常電流は  \pmb{\nabla}\cdot\mathbf{J}=0 を満たす.


 6.4節.オームの法則  \mathbf{J}=g\mathbf{E} は時間反転で符号を変える.


 6.5節.電子が速度に比例した抵抗力を受けると考えればオームの法則が導かれる.P137最後の式は(6.12)の  g \tau=\lambda/v_{\rm th} を入れ, v_{\rm th} は(6.10)を使って消去する.


 P138にフェルミ運動量が簡単な説明だけで登場して面食らう.量子力学を既知と仮定しているだろうか.フェルミ縮退しているときの粒子数密度  N位相空間の体積


 \begin{align} \frac{4\pi}{3}p_{\rm F}^3\cdot\frac{V}{(2\pi\hbar)^3} \end{align}


にスピン自由度の2をかけて体積  V で割ったもので, p_{\rm F}=\hbar(3\pi^2 N)^{1/3} になる.