「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ
9.5節. の特殊解として となる定数解としたものが(9.22)である.P214の力学的エネルギーの中で電荷が であるが,ここでは電子を考えているので である.
9.6節.慣性系での物体の速度 と回転座標系(角速度 )での速度 は の関係がある.角速度が一定であれば加速度は である.
9.7節.P218の一番上の式ではデルタ関数項を落としているが,落とす理由がわからない.この式は磁気モーメントの向きを 軸方向に取っているので
になるはずである.デルタ関数の円柱座標表示は
を使った.これは前に出てきたように, に基づいている.まずはデルタ関数項を落として計算してみると,磁束は(9.28)となり,(9.27)から を求めると
となって(8.11)を再現する.一方,デルタ関数項による磁束は
になる.これを で微分しても0にならないので(8.11)を再現しない.つまりデルタ関数項を入れてはいけないということになるが,この項も軸対称である.どこがおかしいのだろうか.
9.8節.(9.32)は流体力学に似たような式があったと思うのだが思い出せない.
9.9節.ローレンツ力は仕事をしない.これは簡単そうで難しい.グリフィスに詳しく書かれているが,磁石で金属を引き寄せるときの仕事は磁場がするのではない.