「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ
17.5.1節.ハイゼンベルクはガンマ線顕微鏡を思考実験に使ったとし,その直後に口述試験の逸話を載せるのは意味深である.
17.5.2節.量子力学の定番である調和振動子の,ブラケット記法による解法.P546の最初の式は
が正しい.
17.5.3節.量子力学の摂動計算.ハミルトン関数の右辺第3項は電位の基準点を原点にとって
としている.一方,右辺第2項は無限遠の電位を0にとっている.項ごとに電位の基準を変えてもよいのだろうか? 定数項の差しかないから問題ないということか.
(17.29)に と を代入すると
になり,球座標で表すとP548の最初の式になる.両辺の 依存性をみると,右辺は に比例しているので, も に
比例していなければならない.
の式に対して によって展開すると
になる. の係数は , の係数は である. としてよいので,
となる. の係数は0であり, の係数は となるので, としてよい.よって
となり,これから が得られる.双極子モーメントは
となる.