「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ
15.17節の続き.P496から.座標変換の変換則 が与えられているが,その逆は
である.そこで行列
を定義すると,, である.
これから
が得られるので,おそらく の右辺第2項の符号が逆である.同様に
となるので,
となる.これで(15.64)が確かめられたが,本の の表式はどのようにして得られるのかわからない.
回転系のマクスウェル方程式は複雑である.電磁場は電荷によってつくられると思っていたが,加速度系では電荷がなくても電場が生じるのでわけがわからなくなりそうである.
15.18節.シュバルツシルト解は色々な入門書に載っている一方で,このライスナー-ノルドストレム解は意外と載っていない.
静止した点電荷のつくる重力場は静的,球対称と考えられるから の形が決まる.その計量は対角的なので反変テンソルもすぐに求まる. の表式があるが,左辺は が正しい.
重力場がない場合(平坦な時空の場合), であり,このとき は通常の静電ポテンシャルになる.
電磁場のエネルギー運動量テンソルとして(16.25)を引いているが,ラグランジュ関数密度 の共変形がどこにも書いていない.おそらく
である.これを使って電磁場のエネルギー運動量テンソルは
である.((16.25)は を にしないと曲がった時空には使えない.) 0でない成分は
である.
重力場の左辺の計算は同じく球対称であるシュバルツシルト解を計算する場合と同じである.クリストッフェルは
であり,これから
により
を得る.これらを使ってP498の最初の4式が得られる.
を使って22成分を変形すると
となるので,変形すると
となり,積分して
になる. は積分定数である.これを決めるには線形近似
と比べて
とする.これにより と の表式を得る.
のときに となる がある. でブラックホールになるということだが, の領域はどうなっているのかよくわからない.ノーマルな時空だとしても は特異点ではないだろうか?