電磁気学の基礎 I (その32) 7.7.5, 7.8, 7.9

電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ


 7.7.5節.環状電流の積み重ねということで,(7.38)の磁場を使うとP166最初の式に,積分は(2.9)が使えて次の式になる. l が小さいときは(2.10)の下の式を求めたのと同じ方法で(7.39)の上の式を得る. l が大きいときは(2.12)を求めたのと同じ方法で(7.39)を得る.


 ソレノイド内部で一様な磁場であることを示す.与えられた設定で


 \begin{align} |\mathbf{x}-\mathbf{x}'|^3= \{ \rho^2+a^2-2\rho a \cos\varphi'+z'^2\}^{3/2} \end{align}


であるから(7.15)より


 \begin{align}  \mathbf{B} = \frac{\mu_0}{4\pi}\int dS' \mathbf{K}(\mathbf{x}')\times  \frac{\mathbf{x}-\mathbf{x}'}{|\mathbf{x}-\mathbf{x}'|^3} \end{align}


を計算する. x, y 成分は  z' について奇関数なので  z' 積分によって消える. z 成分はP167の最初の式になる.この積分はP32の一番下の式と同型であるから  z' 積分によってP167の最初の式の2段目を得る.さらに(2.14)を使って(2.16)を得たのと同様にして(7.40)を得る.


 (7.33)で  \mu_0 J_z B_z に変えれば(7.41)の上の式が成り立つ.これにソレノイドの磁場  B_z(\rho)=B\theta(a-\rho) を代入すると(7.41)になる.ソレノイド内部で


 \begin{align}
\mathbf{B}\times\mathbf{x}=
  (0, 0,  B)\times (x, y, z)=B(-y, x, 0)=B \rho(-\sin\varphi, \cos\varphi, 0)
  = B \rho \mathbf{e}_{\varphi}
\end{align}


であるから(7.42)のように書ける.


 7.8節.アンペールの回路定理の一般論.ガウスの丸薬箱のような用語があるかと思ったが,ここは単純にアンペールループであった.


 7.9節.ベクトルポテンシャルには任意性があるが,(7.24)は境界条件のもとで一意に決まるらしい.ということはゲージ変換できないということだろうか.他の境界条件でも,それによってゲージ変換できなくなるのだろうか?境界条件とゲージ変換の関係がよくわからない.