「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ
半径 の環状電流 のつくるベクトルポテンシャルを求める.中心軸を 軸にとると,対称性から観測点は に取れる.電流要素の位置を とすると, となる.
の 成分は,
によって消える. 成分は観測点の 方向に対応するので, として
になる.積分区間を ] と ] に分け, と変数変換すると,区間 ] の積分の2倍になる.それが(7.36)の第1式である. と変数変換すると, であり,
より
となる.さらに変形して
より
となる.分子の を
と表すと
となるので(7.36)最後の式を得る. の場合, P164の展開式を使うと
となり,観測点が十分離れているときは を無視できて,(7.37)の上の式となる.
中心軸付近では を無視できて,(7.38)の上の式になる.磁場を求めるには
を使うことで(7.38)を得る.
付近では であるが, は発散する.そこでP165の最初の式にあるように積分区間を分ける.第1項は収束するのでその下の式のように積分できる.第2項は分母の を として
としてしまう.積分
を使うと
となる.最後の式では分母の 以外の に1を入れた.これから
となる.観測点と電流の距離のうち最短になるものは であるので
になる. 近傍で
なので,これらを使うと
を得る.