「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ
3.2.2節の続き.まず前回現れた定積分
を計算する.これは再帰的な関係式を使うことで,原始関数を求めなくても積分値がわかる.まず と変数変換すると
になる.これから
になるので,最後の式の最後の項を と変数変換すると
を得る.したがって
となる.
さて前回の続きに戻る.(3.16)まで確認したので,この式を使った応用をいくつか行う.まず直線に電荷が分布する場合,電荷密度と電荷線密度との関係は
であった.これから
という関係があることがわかる.ただし であることを使っている.この を(3.16)に代入すると,第1項がきき,
を得る.
半径の一様円筒電荷密度の場合 を(3.16)に代入すると
となる.ここで を使った.最後の式の2項目は定数なので無視したものが(3.17)である.
半径 の一様円柱電荷密度の場合 を(3.16)に代入すると,まず の場合
になるが,ここでは定数を加える自由度を利用して になるように定数を加える.
一方 の場合は
とる.この場合は定数項を落として になるようにした.とから
と表すことがでる.
電位から電場を求めるのは単純な微分計算であるが,階段関数も微分する必要がある.今の場合,微分によって生ずるデルタ関数項はすべて係数が0になる.