電磁気学の基礎 I (その19) 4.5, 4.5.1, 4.5.2

電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ


 4.5節.P88の上から2番目の式は点電荷のポテンシャルエネルギーで,正にも負にもなる.一方,この式から導かれたはずの(4.36)の電場のエネルギーは負にならない.この違いに関する記述はない.グリフィスにはこの点についてやや詳しく書かれているが,ちょっと納得がいかないところがある.


 ただ,4.5.1節に関連したことが書かれている.電場のエネルギーの中には点電荷のポテンシャルエネルギー  V=q\phi のほかに点電荷の自己エネルギーを含んでいる.電場のエネルギーが常に正になるのは自己エネルギーの寄与を含んでいるためと言えるのかもしれない.しかし電場のエネルギーを導く過程のどこで自己エネルギーの寄与が入ったのだろうか.しかも点電荷の自己エネルギーは無限大である.


 3章で登場した電荷のポテンシャルエネルギー  \int dV \varrho \phi と静電エネルギー  (1/2)\int dV \varrho \phi の違いをすっかり忘れていた.基本的ではあるがけっこう微妙なことでもある.


 4.5.2節.容量係数と電位係数は逆行列の関係.