電磁気学の基礎I

電磁気学の基礎 I (その15) 3.7, 4.1, 4.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 3.7節.4極子は「しきょくし」と読むのだろうか? おそらく四重極のほうがよく使われている.4極子はダイアド(2階テンソル)を使って という記号を使う.ちょっとわかりづらいが本の…

電磁気学の基礎 I (その14) 3.6

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 電気双極子層は電気二重層として覚えていた.ここでも2枚の電荷面の間の距離を0にする極限を取り,ある種の理想化を行っている.(3.40)は(3.32)を双極子層がつくる面で積分したもので…

電磁気学の基礎 I (その13) 3.5

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 今後,計算にアインシュタインの縮約記法を使う.座標をなどとするとき,和の記号を省略しと書く. 電気双極子は同じ大きさのプラスとマイナスの電荷対だが,この本では電荷対の距離を…

電磁気学の基礎 I (その12) 3.3, 3.4

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 3.3節.(3.18)左辺にガウスの法則を適用するとは ということだろうか. 電荷面密度があると,その面の前後で電場の法線成分が不連続になるが,一方で面密度ではなく電荷体積密度が有限…

電磁気学の基礎 I (その11) 3.2.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 3.2.2節の続き.まず前回現れた定積分 を計算する.これは再帰的な関係式を使うことで,原始関数を求めなくても積分値がわかる.まず と変数変換すると になる.これから になるので,…

電磁気学の基礎 I (その10) 3.2.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 3.2.2節の続き.今回は一般的な軸対称電荷がつくる電位を求める.観測点を とし, 電荷の位置を とすれば,電位は \begin{align} \phi(\rho) &= \frac{1}{4\pi\epsilon_0} \int_0^{2\pi…

電磁気学の基礎 I (その9) 3.2.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ まず直線電荷がつくる電位を求める.長さの線分上に一様に電荷が分布しているときの,線分がつくる電位を求める. 軸上に から まで電荷線密度 で一様に分布する線分電荷をおきます. …

電磁気学の基礎 I (その8) 3.1, 3.2.1

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 3.1節.電位は を使う.グリフィスでは である.外力が電場中の電荷に与える仕事は で,グリフィスでは である. 3.2.1節.球対称電荷がつくる電位を求める.先に一般の球対称電荷の場…

電磁気学の基礎 I (その7) 2.8, 2.9

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 2.8節.はじめの段落に書かれていることを式にしてみる. 右辺の微分は でなければ0になる. の場合を考えるには を中心とする微小半径 の球を考え,その領域内では は一定であるとす…

電磁気学の基礎 I (その6) 2.4, 2.5, 2.6, 2.7

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 2.4節.この本では観測点から対象面を見たとき,面の下側を見ているときに正の立体角と定義する.「面の下側」とは面の法線ベクトルと逆側の面である.無限平面への立体角は であり,…

電磁気学の基礎 I (その5) 2.3.3, 2.3.4

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 2.3.3節では平面電荷がつくる電場を求める.平面上の点を円柱座標で表して ,観測点を とする.距離は であり, の 方向成分は であるから, 電場の 成分は(2,20)の真ん中の表式になる…

電磁気学の基礎 I (その4) 2.3.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 2.3.2節の続き.(2.14)の積分 を確かめる.複素積分に直してもよさそうな形だが,まずは本の通りに積分してみる.最初に の場合を考える.積分区間を ] と ] に分け,後者を と変数変…

電磁気学の基礎 I (その3) 2.3.2

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 半径 の無限長の円柱面上の電荷のつくる電場を求める.円柱の中心軸を 軸に取る.円柱面の位置を , 観測点の位置を として, 距離は \begin{align} |\mathbf{x}-\mathbf{x}'|=\sqrt{a^…

電磁気学の基礎 I (その2) 2.3.1

「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ 2.3節では具体的な電荷分布に対する電場を求める. 2.3.1. 直線電荷がつくる電場 長さ の線分上に一様に電荷が分布しているときの,線分がつくる電場を求める.線分を 軸上に取り,電…

電磁気学の基礎 I (その1) 2.1, 2.2

これから太田浩一 著「電磁気学の基礎 I」(シュプリンガー・ジャパン)を読もうと思う.手元にあるのはやや古い2009年初版3刷である.正誤表を探してみたけど見つからない. この本の特徴は歴史に詳しいことと,この手の本としては珍しく演習問題がないこと…