電磁気学の基礎 I (その6) 2.4, 2.5, 2.6, 2.7

電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ


 2.4節.この本では観測点から対象面を見たとき,面の下側を見ているときに正の立体角と定義する.「面の下側」とは面の法線ベクトルと逆側の面である.無限平面への立体角は  \Omega=2\pi であり,これは観測点からの距離によらない.


 2.5節.軸対称や球対称など,対称性のよい電荷分布がつくる電場は簡単に求まる.電荷分布を取り囲む閉曲面を「ガウスの丸薬箱」というらしい.なぜ丸薬箱なのか,グリフィスではGaussian pillboxとあるのでその訳だと思われる.ガウスの法則についての説明があるが,「偶数個の面積要素がある」など,かなり直感的な説明である.しかし物理ではこれでいいのかもしれない.


 2.6節.電気力管という言葉を初めて知った.流体の流管みたいなもの.


 2.7節.デルタ関数の定義があるが,すでに2.3.4節で特殊なデルタ関数の性質を使っているので今更感がある.ガウスの定理をこの本では発散定理と呼ぶ.ジャクソンでもたしか発散定理だった.グリフィスも発散定理の言葉がある.A.4節によるとガウスが導いたのは平面の場合らしい.