「電磁気学の基礎 I」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ
2.3.3節では平面電荷がつくる電場を求める.平面上の点を円柱座標で表して ,観測点を とする.距離は
であり, の 方向成分は であるから, 電場の 成分は(2,20)の真ん中の表式になる. 積分は(2.9)が使え,(2.20)右辺になる.
平面を細い幅の直線電荷に分割して,直線電荷のつくる電場の和としても計算できる.平面を 軸に平行な幅 の直線に分割すると, の位置にある直線と観測点 との距離は である.また直線上の点 と観測点 との差の 方向成分は であるから ,P34の の表式になる.この 積分は
になる.
2.3.4節では球対称電荷がつくる電場を求める.親切に誘導されておりあまり書くことはない.球座標を使って球面点上の点 にある電荷が観測点 につくる電場を考える.距離 は
であり, の動径方向,すなわち 方向は である.これにより電場 はP35の最初の表式になり,積分変数を から に置き換えると(2.22)の真ん中の式を得る. について積分すると
によって(2.22)右辺になる.
一般の球対称電荷分布 が与えられた場合は(2,22)において,, として について0から まで積分すればよい.(2.22)に階段関数があるので積分の上限がおさえられ,(2.23)式になる.
(2.23)に点電荷密度 を入れると になる.ただし
を使っている.こんな関係式があるとはちょっと驚きである.グリフィスには見当たらないし,検索してもヒットしない.ただ,正しく点電荷密度になっていることはこの関係式を使って
になることからわかる.