「空間の回転行列」で示したように,x, y, z軸まわりの回転を表す回転行列を
としておく.これらを使って回転軸 のまわりの回転を表すには,一度微小回転にしてからx,y,z軸のまわりの回転を合わせる.微小回転は回転の順序に関係なく回転行列をかけることができる.
角度 が微小 であるとき, であるから
となる. は3行3列の恒等行列である.
方向を回転軸とする微小角度の回転を, 軸方向に角度 の回転, 軸方向に角度 の回転, 軸方向に角度 の回転で表し,
であるとする. の1次まで考える場合,各軸のまわりの回転の順序によらないので をかける順序によらず
となる.ここでエルミート行列
と定義する. をかけたのはエルミートにするためである.このとき
と書ける.これから(微小でない)有限の角度 の回転行列をつくることができる.微小な回転を無限回行い, として