2025-01-01から1年間の記事一覧
特殊相対論の本は,いまでも多くがマイケルソン・モーリーの実験を紹介してエーテルが否定されていった歴史を記している.しかしいまやQED(量子電磁力学)の成功をはじめとして,ローレンツ群(ポアンカレ群)の表現としての素粒子の分類,標準模型など,特…
メビウスの帯は非自明束だが,そのホイットニー和束は自明束である.その理由を生成AIに聞いてみると,次のような感じの答が返ってきた. 1次元の実直線上で1から-1へ移動するとき,必ず0を通る.これはメビウスの帯が非自明束であることを意味する.一方,2…
前回に続き,今度は指数関数の微分を行う. なので となる.これ以上は簡単にならないが,和を積分に直すことができる.まず と の和を, と の和に直す. と書き直す. は独立なのでどちらも上限は無限大である.ここでベータ関数 を使って積分の形にすると…
が の関数 のとき, 導関数を で表すと である. では が行列 で,各成分が の関数であるとき としてしまいそうだが, 結論からいうとすべて誤りである.誤りの原因は,行列が交換するとは限らないことにある. これに注意して微分を行う. これから,正の に対…
非可換アノマリーとはゲージ場の軸性カレントの発散で のことである.これを藤川の方法で計算することがいくつかの本で紹介されている.例えば 中原幹夫 (著), 久保田真吾, 佐久間一浩, 中原幹夫, 綿村尚毅 (訳), 理論物理学のための幾何学とトポロジー II …
カレントの同時刻交換関係を計算するときに便利な公式フェルミオンの場合 はディラックガンマ行列, はSU(N)行列を表す. 出典は G.A Christos, Phys. Rep. 116, 251 (1984) P260.ボソンの場合 は の正準共役. 出典は R. Jackiw, Field theoretic investigatio…
ワインバーグの場の量子論に登場するのだが, をグラスマン数とするとき,その外微分は になるらしい.つまり微分とグラスマン数は反交換する.「らしい」と書いたのは,はっきりとこう書かれているのではなく,こう考えないと矛盾する式が出てくるからであ…