計測における誤差解析入門(その40)(12-1), 12-2, 12-4, 12-6

John R. Taylor「計測における誤差解析入門」の読書メモ


最終章.付録Dの表はカイ二乗ではなく,自由度で割った換算カイ二乗であることに注意.

12.1

表12.10の期待度数は観測度数の誤り.

12.2

 \bar{t}-\sigma_t = 8.11, \bar{t}+\sigma_t = 8.19

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 \chi^2=1.0\ll 4 となるので,正規分布といえない.

12.4

3個のさいころを振って6の目が出ない確率は  (5/6)^3=0.5787, 6の目が1個出る確率は  3(1/6)(5/6)^2=0.3472, 6の目が2個か3個出る確率は


 \begin{align}
   3\left(\frac{1}{6}\right)^2 \frac{5}{6} + \left(\frac{1}{6}\right)^3=0.0694+0.0046=0.0741
\end{align}


になる.これから400回振ったときの期待度数は順に


 \begin{align}
  E_1 = 231.5,\quad
  E_2 = 138.9, \quad
  E_3 = 29.64
\end{align}


となるので, \chi^2 = 2.47 を得る.これは3に近いので,さいころはいかさまであるとはいえない.

12.6

(a) 50人と,ガウス分布の平均と標準偏差の計3つが制約条件なので, c=3 である.仕分け箱は4つなので,自由度は  4-3=1 である.

(b) 測定値を  n 個の仕分け箱に分けるとする.ガウス分布の中心は既知でありデータで決まるのではないので,制約条件は測定回数とガウス分布の幅の2である.よって自由度は  n-2 である.