面電荷密度と面電流密度は表面上に分布する電荷密度,電流密度である.例えば 平面上に面電荷密度 の電荷が一様に分布し,他に電荷がない場合,(体積)電荷密度 は
と書ける.デルタ関数が長さのマイナス1乗の次元をもつので両辺の次元は合っている.
次に 平面を一般化して,関数 が をみたす曲面上に 面電荷密度 の電荷が一様に分布する場合を考えてみる. このとき \eqref{1} にならって
とするのはまちがいである.両辺の次元が合わない.正しくは
である.見やすくするため引数 を省略して
と書いておく.
\eqref{3} が正しい表式であることを確かめるため, と の関係をふりかえってみる. は全空間で定義され, は表面上でのみ定義されているので, を表面に垂直な方向について積分(integrate out)すれば が得られるはずである.
(表面に垂直な方向についての積分をスティルチェス積分の形にした.)表面の単位法線ベクトルが
と書けることに注意すると
であるから
になる.これに\eqref{3}を代入すると が得られる.
\eqref{3} と同様に,電流密度 と面電流密度 の関係も
と書ける.
参考:V. Namias, Am. J. Phys. 56, 898 (1988)