点電荷と中性導体の間の力

 グリフィス「電磁気学I」P115にこんな問題がある.


「点電荷とその近くにある帯電していない導体の間に働く力は常に引力となるか?」


たとえば導体にプラスの点電荷を近づけると,導体中のマイナス電荷が点電荷側に移動し,プラス電荷が反対側に移動するので,普通は点電荷と導体には正味引力がはたらく.この問題は,導体の形状と点電荷の配置を調整することによって斥力がはたらくようにできるか?という問題である.一見するとそのようなことはできないように思えるが,脚注に引用されている文献を見ると斥力にできることが示されている.


M. Levin and S.G. Johnson, Am. J. Phys. 79, 843 (2011) (arXiv:1007.2175)


詳細は省くが,半球殻の導体を用意すると斥力にすることができる.それにしても,これを練習問題にするのはさすがに無理があると思うのだが.