ワインバーグの量子力学が文庫で発売されていて驚いた.大学生向けの教科書とはみなされていないということか.
さて 前回の流体方程式(1)を再録する.
流速 が の関数なので,圧力 も の関数である.そのため \eqref{1}の左辺は
と書ける.\eqref{1}の右辺はベクトルラプラシアンであるが,非圧縮性の条件(前回の(2)式)により である.これを書き下すには,次の演算子を定義しておくと便利である.
微分は の右にくるすべての関数にもかかることに注意.これを使うと
となる. は前回の(4)の流れの関数である.\eqref{2} と \eqref{5} を \eqref{1} に代入して成分ごとに表すと
となり,\eqref{6} の両辺を で微分し,\eqref{7} の両辺を で微分して各辺どうしを引くと,圧力の項が消え
になるが,両辺を で割ると
という形になる.
次回は \eqref{8} を解いて を求める.