計測における誤差解析入門(その19) 4-24, 4-25, 4-26, 4-28

John R. Taylor「計測における誤差解析入門」の読書メモ

 

4.24

(a)

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(b)  g=9.44\pm 0.02 となり,文献値と合わない.

 

(c) すべての測定値  g について文献値より小さいので,すべて空気抵抗によって落下時間が長くなっていると考えられる.

 

また,落下距離が大きいほど  g が小さいので,落下時間が長い分だけ空気抵抗の影響をより強く受けていると考えられる.

 

(d) 球の直径を小さくする,球の重量を大きくする,落下距離をできるだけ小さくする,真空ポンプなどで減圧した容器の中で実験を行う.

 

4.25

(a)  \lambda の相対誤差が4.5%なので, f の1%の系統誤差は無視できる.

 

(b)  \lambda の相対誤差が0.9%なので, f の3%の系統誤差は無視できない.

 

4.26

(a) 順に, 2.40, 2.45, 2.40, 2.45.単位は  \Omega.最良推定値は2.43  \Omega,誤差のランダム成分は  0.015\Omega

 

(b) 電圧計,電流計に2%の系統誤差があると,抵抗値には  \sqrt{2^2+2^2}=2.8\% の系統誤差がある.ランダム誤差の相対誤差は0.6%なので,全体の誤差は  \sqrt{2.8^2+0.6^2}=2.9\% となる.絶対誤差にすると  0.07\Omega なので,  2.50\Omega に一致するといえる.つまり計器の系統誤差2%はランダム誤差に対して無視できない.

 

4.28

(a) 平均値  965.6, SD 3.256 , SDOM 1.456.よって  g=965.6\pm1.4 cm/s ^2

 

(b)   979.6-965.6=14 なので,誤差の10倍である.

 

(c)   l の系統誤差が1.5%のとき,  g の系統誤差も1.5%になる.これは絶対誤差にすると14cm/s ^2 になるので,文献値と誤差の範囲で一致するようになる.

 

(d) ノギスによる測定値の半分を各  l に加えればよい.計算しなおすと,  g=980\pm 1 cm/s ^2となる.(ノギスによる測定誤差は無視できるほど小さい.)