前回の(2)式
は幾何学的な意味をもつ. は と が張る平行四辺形の面積を表すので, と を一次変換した と が張る平行四辺形の面積は,もとの平行四辺形の面積 に をかけたものである,と言える.
\eqref{1} で と書き換え, を微小なベクトル にする. が張る面積を ,その面の単位法線ベクトルを とし, が張る面積を ,その面の単位法線ベクトルを とすると
であるから,\eqref{1}は
と書ける.\eqref{2} は Nanson の公式と呼ばれる.
同様なことを体積で行う.ベクトル がつくる平行六面体の体積はスカラー三重積で与えられる.
を一次変換した がつくる平行六面体の体積は
となる.3次元でのdetと類似した役割が,2次元ではcofが果たしている(detはスカラーでcofは行列ではあるが). を微小ベクトル とし,これらが張る体積を ,さらに が張る体積を とすれば
となる. はヤコビアンである.