メタバースはSNSの「次にくるもの」になるか?

 メタバースマルチバース(多宇宙)と似た言葉だが,もちろん物理の用語ではなく,「あつまれ どうぶつの森」をイメージするとよいかもしれない.メタバースロールプレイングゲーム(RPG)の土台として使われる,コンピュータ上の仮想空間のことであるが,RPGのように決まった目的があるわけでなく,参加者はメタバース上で様々な活動を行うことができる(バーチャル経済圏などと言ったりもする).このようなソフトは別に新しいものではなく,例えば21世紀はじめ頃には「Second Life」というものがあった(日本ではほとんど流行らなかった).流行らなかった理由は色々あるだろうが,その頃はまだネットの通信環境も貧弱であったし,スマホタブレットすらない時代だったので,言わば時代を先取りしすぎていたのかもしれない.その後YouTubeの出現やスマホの台頭,SNSの隆盛と時代は移り,ネットも光通信や5Gが当たり前になりつつある.VR機器も増えているし,さらに仮想通貨やNFTなど,メタバースで経済活動するには絶好のアイテムも登場している.SNSは登場から随分経過し,「何か新しいもの」が求められている(フェイスブックメタバースに注目し始めている).NFTの流行とともにメタバースがここにきて注目され始めているが,今こそプラットフォームに依存しない,世界中の人々が気軽に参加できるような,現代流のメタバースを創り出す絶好の機会なのかもしれない.そしてメタバースの覇権を握れば,次世代IT企業の覇者になれるかもしれない.