「電磁気学の基礎 II」太田浩一 著 (シュプリンガージャパン) の読書メモ
誘電率と透磁率が一様でないときの,電磁波の伝搬を表すマクスウェル方程式(P591最初の段の式)の第2式から
により
となり,これからマクスウェル方程式第1式の回転をとると
となる.このうち はマクスウェル方程式第1式を使って
となる.左辺第1項は
であるが,マクスウェル方程式第3式から
を使って,
となる.これを使うと4つ上の式は
となり,並べ替えてP591の2番目の式を得る.
として(18.31)に代入すると
よりP591の4番目の式を得る. が大きい極限では左辺の 項が支配的となり, を満たしていればよい.
(18.31)はシュレーディンガー方程式
と同じ形である. が小さい極限でシュレーディンガー方程式を解くときは上の問題と同じタイプになるのでアイコナール近似が使える. とおくと, が に相当するので, が に相当する.よって は を満たす.変形するとP592の1番目の式になる.また,
で, が小さい極限では右辺第1項が支配的になるので
になる.運動量演算子は であるので,これは という関係がある.
シュレーディンガー方程式
に を代入する.
とすれば,左辺はP591の4番目の式を , と置き換えたものである.
右辺は より
となる.まとめると
となり,これからP592の2番目の式になる. の式は古典力学のハミルトニアン
に対するハミルトン-ヤコビ方程式
と同じ形式になっている.ただし に相当するものが
に置き換わっている.